書籍:「健康第一」は間違っている

■2014年8月15日初版

題名:「健康第一」は間違っている

著者:名郷直樹

発行:筑摩書房

■エピローグ:多くの医者は、健康につながる欲望に寛容で、健康を害するよう欲望に厳しい。これまでの医療はそれでよかったのかもしれない。しかし、現代の医療は、それでは決して通用しないところに来ている。我々が生きている世界はもうそんな単純な世界ではない。

■日本人は70歳を過ぎたあたりから、がんと心疾患、さらにその他の多様な原因や老衰で急激に死んでいく。それは生活慣習の悪化によるものではなく、生活環境や生活習慣が改善し、長生きになったせいである。

■健康も長寿も幸福には結び付かなかった。

■日本人の喫煙率はここ50年で半減しているにもかかわらず、医療費は減るどころか、増加している。それも倍増どころの話ではない。・・・禁煙によってもたらされる高齢化・長寿によって、長期的には医療費は増加するのである。

■むしろ健康や長生きを追求することが新たな問題を生んでいる。

■高血圧は悪であるとも言えるし悪でないとも言える。・・・しかし現代は、「高血圧は悪である」という情報が支配的なので、どうしても悪であるという認識の中のウソと、悪でないという認識の中の真実にフォーカスするような記述になるだろう。

■高血圧とは血圧が高い状態だが、高血圧そのものが悪いわけではない。

■血圧が高いと体の体調が悪いという理由で血圧の薬を飲んでいる人がいるかもしれないが、血圧の薬を飲んで体調が良くなるかどうかは、わかっていない。そのような研究はにのである。

■たとえば、ひどい肩こりで血圧が高いという場合、血圧のせいで肩が痛いわけではなく、肩が痛いから血圧が上がっているのである。

■降圧治療により「脳卒中が予防できる」という表現は、厳密に言うとおかしいところがある。降圧薬を飲んでも脳卒中になる人がいるし、飲まなくても脳卒中にならない多くの人がいるからである。降圧治療は脳卒中を予防するのではなくて、「一年ほど先送りする」というほうが、治療効果の解釈としては正確なのではないか。

■どれもこれも、医療が有効だということを過大に強調し、その害の部分を意図的であるにしろ無意識的であるにしろ、覆い隠すような強固な構造がある。そういう構造の中で最悪なのは、医療に対する期待をかきたてられる一方で病気に対する不安を煽られ、治療をうけたとしても、その不安を払拭するような効果を得られず、かえって不幸になってしまうという結末である。

■科学的に突き詰めれば、降圧薬を飲もうが飲むまいが、乳がん検診を受けようが受けまいが、どうでもいいということである。あえて極端な言い方をすれば、医療を受けようが受けまいが、大した差はない。医療による弊害の危険性もあるのだから、医療を受けないほうがいい場合も多い。

■医療に限界があり、人は死ぬ。それにもかかわらず、世の中はとにかく医療を受けることを勧める方向の情報を流す。

■性欲、食欲が二大欲望、これに睡眠欲を加えて三大欲望である。しかし、私はここにもう二つ加えたい。健康欲と生存欲である。そう考えれば、「健康になりたいという欲望」も、「酒を飲みたいという欲望」も欲望としては等価であるというのはごく自然に受け入れられるだろう。

長寿や健康第一は間違っている。健康欲は満たされることはないから。いくら長寿でも最後は死んでしまうことで終わるのだから。結局は、健康欲、生存欲をコントロールしないとどうしようもないのだ。これに対して、食欲はその都度満たされるではないか。

■医療は賭けである。医療を受けるかどうかは賭けであるし、どの医療を受けるかも賭けなのである。そして、すでにある程度の健康を達成し、長生きした人にとっては、あらゆる文脈から自由になって、医療を受けないという選択肢に賭けることも、案外合理的である。

■欲望のコントロール、賭けとしての医療に続く三つ目の処方箋は、「譲ること」である。誰かに何かを譲ることで多くの問題が解決する。誰に何を譲るか、そして、上手に譲るためにはどうしたらいいか。

きょうの「ブレイクタイム」

平成29年5月29日(月)

大友克洋さん「バベルの塔」大胆解釈 ざっくり切り込み

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