2014年3月12日発行 著者:長尾和宏 発行所:株式会社PHP研究所
題名:延命治療で苦しまず/平穏死できる人、できない人
■プロローグ:”平穏死”を知らない患者が、”平穏死”を知らない家族に病院にいれられ、”平穏死”を知らない医師や看護師に囲まれて、管だけで最期を迎えようとしている!それが日本中でまだ起きている、むしろ進化している。
■9割が望んでも穏やかに死ねるのは1割しかいない(のは)・・・、多くの人が自分の最期の医療まで他人まかせにしてまうから、自分が望む穏やかな死が迎えられていないのではないでしょうか。
■「平穏死できる人」になるためには、本人の意志、家族の理解、主治医の支持という三つの要件がそろうことが必要です。
■ピンピンコロリができるのは、わずか5%の人だけ。・・・95%の人たちは終末期医療を避けて通れない。
■治療期と終末期を意識する:延命と”縮命”の分水嶺がくるまでは医療を賢く利用して、病気と賢く闘えばいい。そして終末期になったら、必要な緩和医療だけ受ければいいのです。
■<尊厳死と平穏死> 日本における尊厳死とは「本人が直接言うか、リビングウイルを文書でしめしている人が、2人以上の医師によって不治かつ末期と判断されたときの、延命治療の非開始または中止」という意味です。
「平穏死」は最初から延命治療をしないこと、つまり延命治療の「非開始」のみを意味します。
■<安楽死と尊厳死> 安楽死は薬物をつかって意図的に寿命を短くするものです。
尊厳死は国内法的にはグレーゾーン(ほぼ合法?※殺人罪に問われる可能性あり)ですが、安楽死は殺人罪で訴追され、医師は刑務所に入れられます。
■<救急車> 救急車と呼ぶという行為は、救急救命処置のあとに待っている延命治療をも希望するという意思表示です。
■終末期の医療信仰は親を苦しめるだけ・・・家族が平穏死のネックになっていることがあまりにも多い。
■普段診ている医者が看取りの場に行きさえすれば、死ぬ瞬間に医者が立ち会っていなくても死亡診断書が書ける。実は「診察してから24時間以内に亡くなった場合は、医者はそこに行かなくても、死亡診断書を書いていい」