家族葬の風「天寿を全う」

 一年前に家族葬の資料請求をされたお客様だった。幾度かお電話があった。「亡くなった場合、病院から自宅まで運んでもらえるか」「自宅ではどんな準備をすればいいか」「真夜中でも大丈夫か」などなど。

 最期の電話から一週間たって夜中に電話が鳴った。「いま、息を引き取りました。よろしくお願いします」と。亡くなられたのは、93才のおばあちゃんだった。

 翌日、二人の息子夫婦とご長女、ご長男の息子さん(お孫さん)と葬儀の打ち合わせをした。色々な質問や意見が飛び交い、笑いの絶えない打ち合わせが、3時間近くかかった。

 死亡届の説明をして、住所や本籍を記入してもらう。届け人の欄に喪主のご長男に署名をしてもらい、続柄に「長男」と記入してもらう。「ちょうなんのなんという漢字はどう書くんだっけ?」と喪主様がいうと「あなた、恥ずかしいわよ田んぼに力でしょ」と奥様。「あっ、そうかそうか。パソコンばかりで、字を書かなくなったもんだから」と照れながら喪主様。

 「母のことを喪主挨拶でしたいんですが、どこですればいいでしょ」と喪主様、「何分ぐらいになりますでしょうか」と尋ねると「20分前後ですかね」と喪主様が答えると「長過ぎるよ」と喪主様のお子様が間に入る「お父さんがしゃべりだすと長くなるからやめなよ、言いたいことより、聞く側の立場になってよ。カラオケでも歌いたい歌より、みんなで歌える歌を歌う人が出世するんだよ」と父親をさとす。

 今日は喪主様、分が悪いようだ。会葬礼状の例文を読み上げる「病気療養中のところ、薬石効なく、永眠しました・・・」、すると喪主の奥様が「病気療養しなかったんです。ずっと元気で、老衰です。他の文章になりません?」。すると、すかさず喪主様が「天寿だよね。そう、天寿を全うしました、ってのはどうかな」と提案、一同納得。「それいいですね。すばらしい、葬儀屋になれますよ」とつけ加える。喪主様、名誉挽回。

 

 翌日、納棺師をともなって、ラストメイクと好きだった服に着せ替えをして納棺する。支度の間に、お母様のことをうかがった。「最期は老人ホームでしたが、介護などで大変でしたか」と聞くと「いえ、しっかりした母で、介護も必要なく、みんなに迷惑をかけたくないからと4年前にホームに入ったんですが、自分の荷物も全部自分で整理して、延命治療もしないようにと宣言書も作っていたんです。ホームの担当医も『具合いが悪くなって救急車を呼べば、病院では延命治療が始まりますが、こちらに任せていただければ、延命治療をせず痛みもなく対応しますが、どうされますか』と聞かれたので担当医にお任せしました。最期は、本当にすーっと穏やかに息を引き取りました」と喪主様。

 着せ替えもすみ、布団の上で眠るお母様。喪主様がお母様の足をさする。「冷たくなっちゃたね」。暖めるように膝をさする、お腹をさする、手をさする、腕をさする。「おかあさんっ、おかあさんっ・・・」突然、号泣する喪主様。もらい泣きする奥様。

 葬儀は、家族葬。祭壇は、柩の周りをお花で飾り、その柩を僧侶、家族、親族で囲むサラウンド型。家族葬ネットのオリジナル。柩の中の故人様を愛でながらお焼香をする。喪主様は、みんなでアットホームな葬儀にしたいとこの形を選ばれた。お坊さんにも事前に了解を取っていただいた。

 

サラウンド祭壇の写真

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