家族葬の風「ドバイからの帰国」

◆ 電話の声は動揺しており、何度も尋ねられた。
        Q:    受けてくれますか。
        A:    安心してください。大丈夫ですよ。責任持って対応しますから。
 お父様がドバイに向かう飛行機の中で亡くなられた。旅行好きなお父様は、定年後も世界各国を旅行されていた。100数十カ国を超える国々を旅されていた。
 機中で亡くなられたお父様は、検死のためドバイの病院に運ばれた。死因確定のため解剖が必要だという。日本に戻るのに10日前後かかるという。正確な日時は判然としない。観光会社からの連絡だけが頼りだという。

◆ 10日後に観光会社から連絡があった。ドバイでは、ラマダン(断食月)の影響で仕事がストップして、検死が遅れるという。あと一週間はかかるそうだ。ラマダンは今年は9月にかかっていたが、ラマダン後にメッカ巡礼(ハッジ)があり、その後にイスラムの2大祝祭の一つ祭犠牲祭(イード・アル・アドハー)が続くそうだ。その日が12月8日に当たる。ムスリムにとって重要な祝日で、アッラーへの服従を継続する意思を示す機会として世界中のムスリムが祝うそうだ。その影響で遅くなるのだろう。日本の習慣で考える訳にはいかないと諦めるしかない。

◆ 二週間以上かかって、ご遺体がご自宅に到着したのは、深夜午前1時だった。ようやく帰ってきたご遺体を見て、思わず泣き崩れる娘さん達。言葉を掛けようがなかった。
    私たちにとっては、ご遺体が心配だったが、特別な処置を必要とする程ではなかった。安心した。それが一番気がかりで、万全の準備をしてきたが、気苦労に終わりホッとした。

◆死亡診断書/通夜は、その日の午後6時から行った。慌ただしいスケジュールになったが、事前に調整していたので一点を除いて、事はスムーズに運んだ。問題は、死亡診断書だ。
    
    死亡診断書はアラビア語だった。国際搬送会社が、英文に訳して、それを日本語に直した書類を渡された。死亡診断書を提出する日本の役所では、海外の死亡診断書の場合、日本語に訳した人の署名があれば受理してくれる。ただし、アラビア語の原文と英訳には、死亡場所と死亡時間が記載されていなかった。この二点は、日本では必須項目だ。死亡場所は、国際搬送会社で、おそらく検死した病院の住所を添付した。死亡日はわかるが、正確な時間はわからない。ご家族が旅行会社から聞いた時間を添付書類に記載した。
 上記の書類などに死亡届をつけて役所に提出することになった。何か書類上のトラブルが起きた場合は、国際搬送会社が対応する旨を確認した。
 死亡診断書と死亡届は、時間がなく日曜日に提出することになった。あらかじめ役所には、この件について相談していたので法的には問題ないと判断していた。

 しかし、翌日の告別式の日の早朝、役所から電話があった。
    火葬許可書は発行できるが、死亡場所と死亡時間が死亡診断書の原文に記載されていないので戸籍の処理などに時間がかかるという。すぐに国際搬送会社に連絡をして、対処してもらったが、処理に時間がかかることには変わりないようだ。こちらでは、どうにも手の打ちようがない。ご遺族には死後手続きに面倒をかけることになるが、時間がたてば解決することなので待ってもらうほか仕方ない。

◆ この間、ご遺族にとってみれば、海外での死でもあり、また死後二週間もたっての葬儀でもあり、実感をもって死を受け止めることが出来ないようだった。キツネにつままれたような思いではなかったろうか。
    「旅行が好きだった人だから、本望を遂げたのかもしれない」と、それぞれの心を納得させるように、何度も何度も語り合っていた。


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