◆ 贈り名葬で送った喪主様から、お礼のメールが届いた。
「その節は大変お世話になりました。
最初は家族葬でかつ無宗教ということでどうなるかと心配でしたが、とてもすばらしい葬儀を行うことができ、感謝の気持ちで一杯です。
親戚の方からも、「贈り名というのはいいね」などお褒めの言葉をいただきました。また、「東京の人は冷たいと思ってたけど、葬儀社の方はみんな親切な方ばかりでよかった」と私もうれしくなるような感想をもらいました。
家族葬ネット殿は、自分たちの主義主張がはっきりしており、また、儲け主義に走らず依頼人の立場に立って下さるなど、とても共感が持てました。これからもぜひ、活躍の場を広げ、ご活躍されることをお祈り申し上げております」。
◆ 無宗教で家族葬、どうなることかと心配されたでしょう。でも、ご家族がつけられた「贈り名」がこの葬儀を豊かなものしてくれた。
◆ 亡くなられたのは、喪主さんのお父さま。長男の喪主さんを含めて、三人のお子さんがおられた。子煩悩でお子さん達を大切に育てられたようだ。
そして、お父さまにつけられた「贈り名」は、三人のお子さんのお名前の一字を一つずつ取られて、その間にお父さまのお名前の一字を加えたものだった。
お父さまが付けた名前を、今度はお礼をこめて、お父さまの贈り名にする、そんな「贈り名」にお子さん達の暖かさを感じた。「お父さん、ありがとう」という思いが伝わってくる。お孫さん達も、おじいちゃまの柩に寄り添い、声をかけている。いいご家族だと思った。
恐らく、どんな贈り名をつけようかと、ご兄妹で考えられたときに「私たちの名前をプレゼントしない」とどなたかが提案されたのではないだろうか。
むろん、親子ですから、喧嘩もあれば、いがみ合いもあっただろう。それでも、お父さまはお子さん達を温かく包んでこられたのだろう。
◆ 式も終わり、いよいよ火葬の時を迎え、炉の扉が閉まったとき、7~8才位のお孫さんの一人が「おじいちゃんが、こっちを向いて笑って手を振っているよ」と言った。
何度か経験したが、ときどき、幼い子供には霊?が見えるらしい。このときも、お孫さんにはおじいちゃまが見えたようだ。「おじいちゃんが手を振っているよ」というお孫さんをお母さんが抱きかかえて、涙汲んでいた。霊が有るかどうかは知らないが、「ありがとう」というメッセージをお父さまがお孫さんを通して、お子さん達に伝えたのかも知れない。