家族葬の風「無宗教葬か、仏式か」

◆ この一・二か月の間に何度か電話をもらった。いろいろと悩まれている様子だった。
 
◆ 妹さんから電話があった。

        Q:    いま、兄が亡くなりました。そちらに葬儀を頼みたいと思います。よろしくお願いします。
 
◆ 病院からご自宅へご遺体を運び、線香の用意をする。宗派は浄土真宗だという。浄土真宗の場合、守り刀や枕飯、枕団子を用意しない。亡くなられると直ぐに極楽浄土の阿弥陀如来様がお迎えに来てくださる。このため、四十九日の冥土の旅に赴くことはなく、旅支度や守り刀、枕飯も不要となる。

◆ 菩提寺/妹さんの話によると菩提寺があるという。「それでは先にご住職にご連絡された方がよろしいですね」と助言すると、妹さんは悩んでいる様子だった。

 話を聞いてみるとご両親もそこのお寺に葬儀を頼んだそうだが、お布施が高額で納得がいかなかったようだ。元々は、葬儀屋さんが紹介したお寺だという。

 ちょっと気になったので、戒名(浄土真宗は法名)を見せてもらった。「○○院釋○○○○居士」と「○○院釋尼○○○○大姉」だった。院号は無いわけではないがめずらしい。まして居士や大姉などの位号は浄土真宗ではつけない。基本は男性「釋○○」の三文字、女性は「釋尼○○」の四文字。「○○院」が前に付くことがあるが、居士や大姉の位号はつかない。お釈迦様の弟子としては、皆平等だからだ。

 妹さんが悩むのもうなずける。かなり怪しいお坊さんだが、確証がない限り決めつけるわけにもいかない。どうみても戒名料を高くするために文字数を増やしたとしか思えないが、その法名でご両親を弔っているので公言ははばかれる。

◆ Q:    お坊さんを呼んで葬儀をあげるべきか、無宗教で行うべきか。まだ悩んでいるんです。個人的には、今回はお坊さん無しで葬儀をしたいんですが、田舎から親戚も来ると思うのでお坊さんを呼ばないとちゃんとしたお葬式じゃないと思われるかも知れないし。
 側にいた友人が助言をする。

    友人:    あなたが喪主だし、家族はあなたしかいないんだから、あなたが決めればいいのよ。

◆ 少し考えてから妹さんが切り出した。

        Q:    実は、知り合いの葬儀屋さんもいるんですが、おたくのネットで家族葬の記録を全部読ませていただいて、般若心経を皆さんで唱和して葬儀をあげたと書かれているのを読んで、こんな事が出来るんだと思ったんです。これは、私の考えている葬儀に一番近かったんです。それで葬儀を頼んだんです。

◆ 葬儀/亡くなられたお兄さんは団塊の世代。仲間達もまだ健在だ。葬儀には大勢のご友人が集まられた。高校時代の先生も駆けつけられた。
 棺の回りにはきれいな花が飾られ、それを取り囲むように親族や友人が集まった。

    弔辞/ 友人を代表して何人かが弔辞を述べられた。「おい、ちょっと早すぎるんじゃないか。・・・先に行って待ってろよ。」「小さいときからいつもいっしょに遊んだよな。妹さんのことは心配するな。ちゃんと面倒見るからな」「また仕事頼もうと電話したら、兄は亡くなりましたと云われてビックリした。今でも信じられない。・・・俺もそっちに必ず行くから、またお酒を飲もうよ、な」

    般若心経/ 弔辞のあと、全員で「般若心経」を唱和する。

        A:    今日は、お坊さんにまかせて終わりという葬儀ではありませんから、皆さんがお坊さんになりかわって、心から故人を弔う気持ちでこのお経を故人に捧げたいとおもいます。お腹から力一杯、声を出してください。

 式場の参列者は「般若心経」で心が一つになった。このお経が響く中、喪主の妹さんから焼香をあげてもらった。目にはうっすらと涙の跡。

◆ 通夜・葬儀も終わり、荼毘に付したあと、田舎から駆けつけられたご親戚のおじいちゃんが「いいもんだな。こんな葬儀初めてだが、感動した。うちの田舎じゃむずかしいけど、本当に感動した。」とニコニコして話しかけてきた。
 今度はお兄さんの同級生達が寄ってきて「いい葬儀だった。はじめての体験だったけど色々なことが新鮮で勉強になったよ」と云ってくれた。

◆ 後日、妹さんからお電話をいただいた。「とても評判がいいですよ。特に女性に。司会、進行も私の思ってた通りで、とても良かったです。くれぐれも皆さんによろしくお伝え下さい」と。

◆ 私たちにとって、花の祭壇をほめられるのも嬉しいが、何よりも式の中身で評価されるのが一番うれしい。なぜなら、私たちにとって、葬儀は「弔い(人の死を悲しみ、遺族を慰めること)の仕事」だからだ。


きょうの「ブレイクタイム」

平成29年7月22日(土)

大友克洋さん「バベルの塔」大胆解釈 ざっくり切り込み

 ブリューゲルの「バベルの塔」と大友さんの「バベルの塔」楽しみですね。それにしても、人間の傲慢さを神が戒め、罰を与えた象徴とされる「バベルの塔」、それをいつの時代にも魅かれるのは、罪人としての自虐愛か、マゾヒストの側面を持つ人間のサガなのでしょうかね?。

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バベルの塔

<家族葬ネットの思い>

家族葬ネットの愛甲代表のインタビュー動画です。家族葬の表裏をわかりやすく解説しています。

<家族葬ネットの新着情報>

◎2017年1月31日 「おくやみ」欄のアーカイブ・ページを開始。最近、著名人のおくやみ欄に掲載される葬儀に家族葬が増えているので、概要をしるため。

◎2017年1月27日 「リンク集」のページを開始。

◉2016年4月8日 「死と終末期の延命治療」のページに「参考資料」欄を設け、「寝たきり老人がいない欧米、日本とどこが違うのか」の記事を追加。

◉2016年1月29日 「家族葬ネットのヘッドライン」を追加。

2015年10月27日 「おくやみと合掌」と「社長のぼやき」を更新。

◉2015年3月7日 全体のデザインをリニューアルしました。

◉別冊宝島「新しい葬儀の本」に家族葬ネットが紹介されました。2015年2月13日発行。

◉家族葬に似合う「ワイン葬」をアップしました。4月1日

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