家族葬の風「最期も自分で決めたい」

◆ 7月の始めごろ、Tさん(女性)から「相談にのってほしい」とメールをいただいた。
 打ち合わせ場所は、埼玉県の癌センターだった。

 病室には、Tさんの他に娘さんが二人いらっしゃった。

◆ Tさんは明るくて大変元気そうだったが、身体は癌に侵され、半年持つかどうかの命だという。元気なうちに自分の葬儀は自分で決めておきたいと相談してこられた。二人の娘さんは、おかあさんの意思を最大限尊重したいと言っていた。

◆ Tさんに葬儀のイメージを伺った。

        T:    無宗教の葬儀で、花に囲まれ、家族と親族と近しい友人に送られたい。

    どうして事前に葬儀の準備をするか伺った。

        T:    この子達(娘さん)はまだ若いし、いろんな負担を掛けさせたくない。私の意思で決めたと言えば、他の人には文句が言えないでしょ。それに、私は自分の人生は自分で決めてきたから、最後も自分で決めたいの。 

◆ 娘さんからは、心配事が相談された。お父さまの事だ。お父さまに無宗教で葬儀をあげるといったら、そんな葬儀はあるのかと不満そうだったというのだ。
 Tさんのご主人はTさんの事をずっと愛してる優しい方だ。Tさんはそんなご主人をかばいながらもマイペースの人生を歩んでこられたようだ。ご主人には何か他の考えがあるのかも知れない。
 葬儀は亡くなられた方の遺志だけではなく、残された遺族の思いも反映されるものだ。娘さん達には、お父さまと充分に話し合われるようにいった。

◆ 打ち合わせは2時間ぐらいになっただろうか。Tさんは、まるで人ごとのように葬儀のイメージやプランを展開した。最後には「私が仕切ろうかしら」というほど盛り上がった?

◆ そんな明るい?打ち合わせの印象も消えない9月の夜、Tさんの訃報が娘さんから届いた。あまりにも早い訃報に驚いた。

◆ ご遺体を病院からご自宅へ運び、夜も遅いので翌日に葬儀の段取りを打ち合わせることにした。
 ところが、翌日打ち合わせにご自宅へ伺うと、娘さんが申し訳なさそうに「あれだけ事前に打ち合わせしてくださったのに、実は父がかってにお坊さんに法要を頼んでしまったんです」と打ちあけられた。

◆ 葬儀は無宗教から仏式の葬儀になってしまったが、生前の打ち合わせのように棺はきれいな花に囲まれ、祭壇の前には、Tさんの想い出の自転車や絵画が飾られ、場内には好きだった音楽が流れた。
 そしてプロジェクターのモニターには、ご主人が大切に撮ってあったTさんの記録が映し出された。

◆ ご主人は、奥さまに最後にしてあげられることは何か必死に考えられたのだろう。戒名と葬儀は最後のプレゼントだったのかも知れない。最後まで奥さまの名前を呼ばれていたご主人が印象的だった。
 Tさんの思いと少しずれてしまったけれど、Tさんの生き方、人生を、この葬儀を通して娘さん達に強く刻むことが出来たのではないだろうか。
 娘さん達には、あまりお父さまを責めないようにお願いし、ご家族を見送った。


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