家族葬の風「母と娘の約束」

◆ お母さまと一人娘のSさんとの約束だった。お母さまは、弊社の資料の「密葬」に大きく丸をして娘さんに渡され、「これでお願いね」と言っていたそうだ。

◆ お母さまは、生前、親戚のみなさんから「太陽のような人」と慕われていた。面倒見が良く、明るい人だった。そんな元気な人が病に倒れた。癌だった。

◆ 娘さんは、大学途中で留学する予定だった。しかし、その夢も断念し、大好きなお母さまの看病をつづけ、大学を卒業されたばかりだった。
 
◆ 若い娘さんは、お母さまの希望に応えるように弊社に電話を掛けてこられた。

        Q:    葬儀も祭壇もお坊さんも必要ありません。一晩、母と過ごして、翌日荼毘に付してください。

 しかし、お母さまのご両親は、普通の葬儀を望んでおられたようだ。それを娘さんが、一生懸命説得したそうだ。
 
◆ 打ち合わせに行ったときは、まだ娘さんとおじいさまとの間で密葬か、葬儀かでもめていた。

◆ おそらくお母さまは、まだ若い娘さんの将来を案じて、自分の葬儀にお金をかけるより、その分娘さんに残してあげたかいと思ったのだろう。おじいさま達は、先立つ我が子を不憫に思い、立派な葬儀をあげてやりたかったのだろう。娘さんは、お母さまとの約束を果たすことが、何よりもお母さまに対する感謝と愛のあかしだったのだろう。
 それぞれの優しさと思いやりが、立場の違いでぶつかり会い、すれ違う。それぞれが上手く妥協できる答えを探れるだろうか。

◆ ちょっと重い雰囲気を振り払うように私たちのスタッフがいった。

A: 何もしないというのも寂しいものですから、私どもの担当者が納棺式を執り行います。この儀式にご家族、ご親族のみなさんに参加していただきたいのですが。

無宗教の密葬ではあるが、一つの儀式を中に入れた。妥協案にみんなが応じた。
 
● 翌日、おおよそ15名ぐらいのご家族、親族がご自宅に集まられた。担当者から納棺式の説明があった。旅支度のそれぞれの説明がつづいた。ご遺族の手で旅支度が整えられる。

● 経帷子が羽織られる。担当者がいった。

A: 経帷子の帷子は、一重の着物という意味です。この着物に、昔お経を書いたことから経帷子と呼ばれています。今はお経は書きません。名前だけが残り、形式的になっています。そこで、今日はみなさんに、そのお経の代わりに、短冊に、ありがとうでも結構ですので、故人に送る言葉を書き記し、供えてもらいます。そして、その際、故人に言葉を掛けて上げてください。

● ご遺族たちは、送る言葉を短冊に記し、棺のなかえ供えた。その時それぞれが、故人との別れを心から惜しむように言葉をかけた。
「お母さん、ほんとうにありがとう。頑張って生きていくからね」「何もしてやれなくて、すまなかったね。後のことは心配するな」「おばちゃん、楽しい思い出ありがとう。天国にいってもみんなを明るく見守って」「いつも旅行に連れて行ってくれてありがとう。もう一緒にいけないけど、たくさんの思い出ありがとう」・・・
それぞれが、涙しながら、最後の別れの時を過ごした。

● 荼毘もおわり、別れ際に娘さんがいった「安い葬儀だったでしょうが、心を込めて送っていただきまして、本当にありがとうございました。思い通りの葬儀ができました。スタッフのみなさんにもよろしくお伝え下さい」

● これから一人で大変でしょうが、きっと娘さんはお母さん以上に明るく太陽のような人になるだろう。

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