喪主の挨拶(あいさつ)は主に、僧侶への挨拶、弔問客への挨拶、出棺時の挨拶があります。
特に出棺のときの喪主挨拶は、会葬者全員を前にして挨拶しますから緊張します。しかし、どなたも好意的に受け取ってくださいますので、多少の失敗は恐れることはありません。ゆっくりとていねいにお話し下さい。心をこめてお話しすることが大切です。
挨拶が苦手な方は、弔問客には「本日はありがとうございます」だけでもいいでしょう。その他の場面は、前もって原稿をメモ用紙に書き写し、それを見ながら読みあげることも、けっして失礼ではありません。がんばってください。きっとわかってくださいますよ。
「お忙しい中、ご足労いただきまして、本日は誠にありがとうございます。○○もさぞ安心することと存じます。なお、不慣れですので何かとご指導くださいますよう、よろしくお願いいたします。」
本来は、地区の長老・親族の主だった方にご相談するほうが良いでしょう。ただ最近は菩提寺とのおつきあいも薄くなりがちです。葬儀のときのお布施はいくら包めば良いのか悩むところです。率直にお聞きしましょう。
「恐れ入りますが、私ども無作法で何もわかりませんので、お教え願いたいと存じます。お布施のご用意をせねばなりませんので、恐れ入りますが、いかほどご用意したらよろしいでしょうか。ご教授をお願いします。」
(例1)
本日はお忙しい中、わざわざお越しいただきまして、誠にありがとうございました。また、ごていねいにお供物までちょうだいいたしまして恐縮でございます。
故人は生前、ここにお集りの皆様には大変お世話になっており、本日ご出席いただきましたことをさぞかし喜んでいることと存じます。
(別室に)ささやかながら茶菓子などの用意がしてございますので、故人をしのぶお話などお聞かせいただきとうございます。
(例2)
本日は何かとご多用の中、亡き父のお通夜にお集まり頂き、誠に有難うございました。大変ささやかではございますが、お食事の用意をさせていただきましたので、故人の生前のお話などお聞かせいただければ幸いに存じます。
(例1)
「遺族を代表いたしまして、皆様に一言ご挨拶申し上げます。
本日はご多用中にもかかわらず、ご会葬、ご焼香を賜りまして誠にありがとうごさいました。おかげをもちまして昨日からの通夜、本日の葬儀・告別式もとどこおりなく相すますことができました。生前は一方ならぬご交誼(こうぎ)にあずかり、また本日は最後までお見送りいただきまして、故人もさぞかし皆様のご厚情に感謝いたしておることと存じます。
なお、残されました私ども家族に対しまして、今後とも生前と変わりなきご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます、簡単ではございますが、ひとことご挨拶を申し上げ御礼にかえさせていただきます。誠にありがとうございました」
(例2)
「本日はご多忙中のところ、○○の告別式に多数お集りいただきまして、まことにありがとうございます。故人もさだめし、本日のみなさまのご厚情に深く感謝していることと存じます。
どうか今後とも、生前と変わりなき、みなさまのお力添えをお願い申し上げます。本日はこのような大勢のみなさまのお見送りをいただき、本当にありがとうございました」
(例3)
「本日は皆様ご多用中にもかかわらず、ご会葬・ご焼香を賜り、誠にありがとうございます。
お陰をもちまして葬儀・告別式をとどこおりなく執り行ことができました。
また、故人が生前ひとかたならぬご厚情を賜りましたこととあわせてお礼を申し上げます。
どうぞ残された私共に対しても、生前と変わりなき、ご交誼(こうぎ)を賜りますようお願い申し上げます。簡単ではございますが、ひとことご挨拶申し上げ、お礼にかえさせていただきます」
愛するひとを失ったとき、故人とどう向きあうべきか。本編「家族葬レシピ」をご参照ください。