ヒンズー教

シバ神の図

 

■教祖 多神教
■成立 紀元前1000年(母体はバラモン教)
■聖地 ガンジス河畔「ベナレス」
■聖典 リグ・ヴェータ(神々への賛歌集/古代バラモン教)


死後の世界「輪廻転生」


水が生命原理

 人は死後、肉体はほろんでも、魂は再生し、生まれ変わる。この生死が、「解脱(げだつ)」のない限り永遠にくりかえされるというのが「輪廻転生(りんねてんせい)」です。
 輪廻説のもっとも古いものは、水を生命原理とする思想にもとづいています。
 
 水は天界から雨となって地上にふり、植物を生長させます。根から水分を吸収して成長した植物は、やがて穀物や果実を実らせます。それらは食べられ精子となり、母胎内にはいり新たな生命として誕生します。そして、人は死んで火葬にされると、水分は煙となってふたたび天上に昇っていきます。
 こうして生命の循環の経路がなりたちます。

 

「業」が輪廻の原因

 輪廻説が明確に説かれはじめるのは「ウパニシャッド(ヒンドゥー教の教典の一つ/前0700ごろ)」の時代からです。輪廻の主体が、人間の本体、永遠不滅の実体であるアートマン(個体を支配する原理/我)であるとされます。このアートマンを支配しているのが「業(ごう)」です。業とは、魂に付着し、その人の生前の行為により魂にはたらきかけ、その人の死後の運命を決定づける目にみえない力です。来世にいかなる生をうけるかは、現世の業のいかんにかかっています。

 

魂は水から精液へ

 死後に魂がたどる道は、「神道(しんどう)」と「祖道(そどう)」にわかれます。死者が火葬され、生命である水は煙となって天界にいき、月に到達します。信心は苦行なりと信じ実行する人の魂は、ふたたび死ぬことのないすばらしい世界=ブラフマン(宇宙を支配する原理/梵)の世界にいけます。これが神道です。
 しかしこの知識を知らず、祭祀やお布施をした者は、雨となって地上にふりそそぎ、その水分を吸収した米・麦・草・木・ごま・豆となり、さらにそれを食べた人の精液となって母胎にはいります。これが祖道です。どの母胎にはいるかは、前世の業にしたがいます。悪行をかさねた人は、犬や豚やチャンダーラ(賤民/せんみん)の母胎にはいります。(五火二道説/ごかにどうせつ)

 

解脱の道は梵我一如

 この輪廻から解き放たれるためには、アートマン(我)と宇宙の最高原理であるブラフマン(梵)とが一体であることを直感すれば、輪廻から解放され、不死を獲得できるという「梵我一如(ぼんがいちにょ)」が説かれるようになります。

 

火葬は聖なる儀礼

 この業・輪廻の思想は、現代のインドにおいても支配的な考えです。葬儀においても、ガンジス河のほとりで火葬にして、煙とともに魂は天にのぼるということが、聖なる葬送儀礼です。ガンジス河はまさに輪廻転生の象徴なのです。
 遺体は薪(まき)のつみあげられた台のうえに安置され、薪にバター油かガソリンをふりそそぎます。僧侶は遺体に聖水をかけて読経します。祭壇の火で遺体に点火します。遺灰は河に流されます。また、個霊はほかに転生しますから、お墓をつくる必要がありえません。
 (参考:死とはなにか/大法輪選書、世界五大宗教入門/主婦と生活社、世界の諸宗教/晃洋書房、ヒンドゥー教の聖典/すずき出版、世界の葬式/新潮選書)

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