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最近では、葬儀をしないで、直接、火葬にする「直葬(ちょくそう)」が、都会で流行しています。
直葬は、亡くなられるとご遺体を病院から火葬場の霊安室へはこび、翌日に葬儀をしないで、すぐに火葬にします。いわば、「遺体処理」です。
東京都では、葬儀の3〜4割が直葬だともいわれています。チョット切ないですよね。何かたいせつなものが、失われていくようです。
家族葬の使命は、いま一度、死と葬儀を見つめ直すことにあるように思えます。
家族葬で仏式の葬儀でしたが、ふつうの葬儀では考えられない家族葬がありました。
葬儀が終わるまで、故人を柩にはおさめず、布団に寝かせたまま通夜・葬儀をあげた「柩のない家族葬」です。
それは、喪主の息子さんの願いでした。亡くなられたお父さまとは長らく仲違いをしていたそうです。それを喪主の奥さまの計らいで最近ようやく親子の信頼をとり戻したそうです。その矢先の他界でした。
ところが臨終のときにうたた寝をしてしまい、最期を看取ることができなかったそうです。かれは、そのことがくやしくて後悔の念がつのり、少しでも時を同じくしたい、通夜の夜も手を握りしめて寝てあげたいという思いにつながったようです。
喪主のかれは、(冷たくなった)おやじさんと、どんな会話をされたのでしょう。
おやじさんの仕草、おやじさんの言い草、おやじさんの表情、おやじさんの背中、何が好きで、何が嫌いだったのかその理由(わけ)はなにか、家族をどう思い、人生に何を感じたのか、おやじさんの姿を思い巡らせ、無意識のうちにおやじさんの「こころの遺産」を胸に刻んだのではないでしょうか。
「家族葬」の原石が、その光を放とうとしています。
家族葬は、愛する人の「こころの遺産」を受けとめる神聖な場所です。
それは、あなたを生み育ててきた愛情であり、生きる姿勢であり、あるいは人生観であったり、人を幸せにする笑顔や魅力であったり、生涯をとおして培(つちか)ってきたご両親のさまざまな思いを「こころの遺産」として、あなたが受けとる番です。
死は「生の守り神」です。死者からの伝言をうけとり、こころのなかでシャッフルして、次の世代に再生させる儀式が葬儀だったはずです。
家族葬の空間は「こころの遺産」を譲り、受けとるのにふさわしい聖なるステージです。家族葬ネットは、それを蘇らさせようとしています。
家族葬ネットでは、「こころの遺産」を具体化する一つの方法として、古くて新しい「おくり名(贈り名)」をご提案しています。日本では初めての試みです。
おくり名は、故人の旅たちにあたり、ご遺族が故人の足跡を偲び、その人生を讃えてつける敬慕のお名前です。ご家族からのラスト・プレゼントです。
「おくりな(諡)」の風習は、日本古来からあり「聖徳太子」のお名前も亡くなられた後に、その功徳を讃えて追号された「おくりな(諡)」です。生前は「厩戸皇子(うまやどのみこ)」などと呼ばれていました。
「おくり名」は、故人の生涯を讃え、こころの遺産を受け継ぐものです。そして人生の尊さ、命の尊さをご家族で共有し、次世代に語りつぐことを目的にしています。くわしくは、「家族葬でおくり名」をご覧下さい。
「家族葬」の糸口として、「おくり名」をご検討していただければ幸いです。
「家族葬」は一般的になってきましたが、まだ新しい葬儀のカタチです。玉石混淆(ぎょくせきこんこう)、「家族葬」の真贋(しんがん)が問われています。
これまでの一般的な葬儀は、それぞれの地方でイエ・ムラ共同体の死者供養としておこなわれてきたものです。その手順はある程度定式化されて、互助的伝統的な葬送文化として継承されてきました。
しかし、首都圏を中心に共同体の存在意義が失われるにつれて、共同体のおきてやしばりが、疎(うと)まれてきました。
「家族葬」は、そんな共同体の束縛(そくばく)から逃れようとした都会型の葬儀といえます。
豊かになった日本では、共同体から自立して独りで暮らすことができるようになりました。お金さえあれば都会は、わたしたちを消費者として迎え入れ、お客様として自由な生活を「おもてなし」してくれます。
しかし、2011年3月11日の東日本大震災のあとに「絆(きずな)」が見直されるようになりました。
生きるうえで本当に必要なものは、お金ではなく、人と人の心のつながりであることを自覚させられたのではないでしょうか。
しかし絆と束縛は、コインの表と裏の関係です。切り離すことはできません。それを鉄拳さんのパラパラ漫画「家族のはなし」では、「家族は、面倒くさい幸せだ。」とうまく表現されています。
3.11までは「束縛」から逃れてきた「家族葬」は、これから束縛を人生のスパイスとして、共同体の最後の砦「家族の絆」をとおして、新たな葬送文化の道を歩むことが求められているように思えます。
家族葬ネットは、その道の先駆者として、「こころの遺産」をテーマに「家族の絆」を大切にするこころの「家族葬」をご家族、ご遺族のみなさまと創りあげたいと願っています。