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人間の生き方は、永遠のテーマですが、その人の死にざまをみれば、その人の生きざまをかいま見ることができます。最近の葬式では、形式が優先し、なにやら忙しい儀式のなかで、ゆっくりと故人を偲ぶこともできません。死をみつめることは、生きるとは何かを問いなおしてくれます。著名な先達の死にざまは、あなたの人生の参考になるかもしれません。
 
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勝海舟カントガリレオ・ガリレイキュリー夫人小林一茶ゴヤ
 
  勝海舟  かつかいしゅう <江戸末期の幕臣のち明治政府の高官>
 
  1823〜1899年。江戸本所亀沢町に生まれる。  
   非戦論を唱えて西郷隆盛と政治折衝し、江戸城を無血開城に導いた。脳溢血で死んだ。永眠の際、「これでおしまい」と言ったという。時の海軍大臣の山本権兵衛は海軍省に銅像建立を考えたが、勝がばかにしていたというのでやめた。
(人間臨終図巻/徳間文庫より抜粋)
 
カント
カント  かんと <哲学者>
イマヌエル・カント
1724〜1804年。東プロシアのケーニヒスベルクで生まれる。
 近世における最も重要な思想家の一人。「純粋理性批判」「超越論的分析論」を著す。虚弱で小さく、筋骨薄弱であったが、極度の節制と規律正しい生活により80まで生きた。一生ほとんど生まれ故郷のケーニヒスベルクを離れず、結婚もせず、隣町にさえ行かず、正確に5時に起き、同じ町の同じ地点を正確に散歩し、書斎の温度も一定を保った。しかし、70歳を越えてからは衰弱し、がりがりにやせ老衰から死亡した。早朝ひそかに少数の食事友達だけに見送られて埋葬されたいと書き物に残していたが、見たことのないような敬意と荘厳さにみちた大がかりな葬儀が行われた。
(人間臨終図巻/徳間文庫より抜粋)
ガリレオ・ガリレイ
ガリレオ・ガリレイ  がりれお・がりれい <数学者、天文学者、物理学者>
1564〜1642年。イタリアピサに生まれる。
 音楽家の息子として生まれ、「落下の法則」「振子の定律」などを発見する。自ら作った望遠鏡で天体観測をし、コペルニクスの地動説を証明し、聖書を冒涜した罪で終身監禁されたが裁判の時「それでも地球は動く」といったという伝説は有名。失明し、娘を亡くし、その中で「落下の法則」などをおさめた著書を密かに出版している。熱病で死んだが、約百年間遺体は教会の地下室に置かれ、墓は許されなかった。宗教裁判から350年後の1983年ヴァチカンは教会の罪を認め、ガリレオに謝罪した。
(人間臨終図巻/徳間文庫より抜粋)
キュリー夫人  きゅりーふじん <化学・物理学者>
マリー・キュリー
1867〜1934年。ポーランドのワルシャワで生まれる。
36歳の時夫ピエールとともにラジウムの発見でノーベル物理学賞を、44歳の時金属ラジウムの分離に成功しノーベル化学賞を受賞する。ノーベル賞を2度受けた女性は彼女だけである。
 「放射能」という言葉を初めて使用し、核物理学の世界の鍵を開けたが、その害には関心をもたなかった。夫ピエールは馬車にひかれて死んだが、彼女は67歳で骨髄性白血病で死んだ。95年夫妻の遺体は、パリ郊外の墓地から国家功労者をまつるパンテオンに移葬された。2人の遺体からは人体にないラジウム226が検出された。無害なレベルだが、骨1キロあたり8ナノキュリーの放射能が計測されている。
(人間臨終図巻/徳間文庫 百人の20世紀/朝日新聞社より抜粋)
 
小林一茶  こばやしいっさ <俳人>
1763〜1827年。信州柏原に生まれる。
 15歳で江戸に奉公に出、49歳で故郷に帰り、52歳で最初の結婚をする。子供は4人次々に生まれるが、2歳までに次々に亡くし、妻をも亡くす。半生の苦労のためか40歳で白髪、50歳の時には歯はすべてなく、結婚後もよう、瘧、疝気、疥癬などを患い、57歳の時には中風を発して一時半身不随、言語障害をおこす。また高血圧のため耳鳴り症状に悩まされる。それにも関わらず、62歳で再婚、離婚し、63歳で3度目の結婚をする。翌年3度目の中風の発作を起こし、11月19日に亡くなる。5人目の子供は彼の死後に産まれた。
 雀の子そこのけそこのけ一茶が通る
 夜の雪しんしん耳は蝉の声
 これがまあつひの栖か雪5尺
(人間臨終図巻/徳間文庫より抜粋)
 
ゴヤ  ごや <画家>
フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス
1746〜1828年。スペイン生まれ
 鍍金師の子として生まれ、肖像画家から宮廷画家になった。異端審問所が威力を持つ時代に「裸のマハ」を、ナポレオン軍の侵入の時反戦画「一八〇八年五月三日」や「戦争の戦禍」を描く気骨ある画家として知られている。頑強な肉体と精力の持ち主で、妻との間に20人の子供を、67歳の時には人妻にも子供を生ませている。
(人間臨終図巻/徳間文庫より抜粋)
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